辻村麻乃第一句集『プールの底』
プールの底十句抄 摘むうちに少女消えゆく蛇苺 音もなくプールの底の青さかな はしやぐ子らメロンの息のおしやべりして 足元に子を絡ませて髪洗ふ 日を受くる形で咲けり曼珠沙華 壁と床交はる所秋夕焼 長き夜が暗くて深い穴となる 一輪をきちつと咲きし桔梗かな 黒ブーツ黒ブーツ姉妹帰宅せり をかしくてをかしくて風船は無理 子育て真っ最中の母親として、子供をすこやかに、かがやかに詠んでいる、その感性の輝きをうらやましく思った。そして、表現が日常語でありながら、日常を越えて新しい世界に飛び立とうとしている言葉たちを上手に使っている新鮮さを覚えた。 茨木和生(「序」より) プールの底では、人は何も聞こえず、光は上ら差し込んでくるだけだ。私は、まるでプールの底にいるような心地で、句を掴もうとしている最中なのである。 作者あとがきより 2006年角川書店
by owl1023
| 2007-07-06 23:25
| 辻村麻乃著書
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