カテゴリ:上田禎子著書( 1 )

句集『二藍』

上田禎子 第一句集『二藍』
f0141371_13584552.jpg自選十句
 少年を見舞ふ車座赤のまま
 パラソルをさしてモネの絵の風の中
 新しき箸を揃へぬ星の妻
 藁塚や只見川にかかる橋いくつ
 きさらぎの風の街道獅子座まで
 水温む葉刷子立ての亡夫のもの
 月を待つ清貧家族膝揃へ
 業平忌レモンの色の指輪買ふ
 ミントの葉折りて秋の日遊ぶかな
 賀茂祭馬をなだめて発ちにけり





取り合わされた二つの物(事)の間に立つエーテル状のものに心を打たれる。例えば「業平忌」の一句。その業平忌と、「レモンの色の指輪買ふ」のフレーズは、本来まったく関係のないことだが、作者にはそれが適うと思える。これも私が日頃から言う「心の色」なのである。その心の色こそが先に書いた「個の発現」ということになる。榎本好宏「序に代えて」より

目次より
旅の夜を線香花火で閉ぢにけり
あをあをと硝子の空を帰燕かな
紅葉狩り吾に棲みつく天邪鬼
夜の秋蝶々魚はしあはせか
雪催タイ料理でも食べに行こ
                 
                   角川書店    2007年刊

[PR]
by owl1023 | 2007-11-16 14:01 | 上田禎子著書