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アンソロジー

新刊紹介『こころ彩』
十四人の詩作家と絵本作家の山内マスミ氏のコラボレーション

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収録作家・平林恵子作品

  バレンタインデー机に一つ柚子転ぶ
  風鈴を吊るす日和を待ちゐたり
  真っ白な風の敷布に蜻蛉来る
  飛びたくてならぬ落葉を袋詰め
  冬すみれ夢も希望も足元に






2007年発行 美研インターナショナル・発売 星雲社 
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by owl1023 | 2007-07-16 11:03 | 平林恵子著書

句集

伊丹竹野子著 句集 『ら・ら・ら恋蛍』

帯文 人は、生まれてから死ぬまで、恋路を辿りつつ生きています。
    想像から体験へ! 体験から願望へ! と発情してゆく恋の魔性を赤裸々に、
    十七文字に託して贈る「恋の歳時記」第一弾をご笑読下さい。

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句集抜粋
  B面の夏に焦がれし良夜かな
  昆陽池から琵琶湖へ鴨の百夜かな
  侘助や男にもある悩みごと
  逸物を握り締めたる手の温くみ
  あのときの阿吽の呼吸春満月
  恋さんを迎へ入れたる冬至風呂
  朝日子に身を俏しゐる実梅かな
  立待やきみのあそこはぼくのもの
  花冷の乳房にかほを埋めてをり
  耳朶を噛むや星降る皇子山
  百夜への山険ひとつ初しぐれ
  あるときはグラヂオラスのやうな恋

日本文学館 2005年刊
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by owl1023 | 2007-07-07 19:01 | 伊丹竹野子著書

句集

辻村麻乃第一句集『プールの底』

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プールの底十句抄
   摘むうちに少女消えゆく蛇苺  
   音もなくプールの底の青さかな 
   はしやぐ子らメロンの息のおしやべりして
   足元に子を絡ませて髪洗ふ 
   日を受くる形で咲けり曼珠沙華 
   壁と床交はる所秋夕焼 
   長き夜が暗くて深い穴となる 
   一輪をきちつと咲きし桔梗かな
   黒ブーツ黒ブーツ姉妹帰宅せり 
   をかしくてをかしくて風船は無理

 子育て真っ最中の母親として、子供をすこやかに、かがやかに詠んでいる、その感性の輝きをうらやましく思った。そして、表現が日常語でありながら、日常を越えて新しい世界に飛び立とうとしている言葉たちを上手に使っている新鮮さを覚えた。 茨木和生(「序」より)

 プールの底では、人は何も聞こえず、光は上ら差し込んでくるだけだ。私は、まるでプールの底にいるような心地で、句を掴もうとしている最中なのである。 作者あとがきより

2006年角川書店
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by owl1023 | 2007-07-06 23:25 | 辻村麻乃著書

句集


平林恵子句集『チョコレート口に小春日臨時列車』

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最近、ウキウキしてますか?
女友達とパリオペラ座で迎えたお正月
コーヒー片手に真夏の風を受ける午後
たくさんの心はずむ光景に出会える軽妙洒脱な俳句集

ににんの仲間山内美代子さんの絵がそれぞれのページを一層楽しませてくれる
句画集と言える。
   
   湯上りの素足をくづす雛の間
   火柱をあげしステーキ春動く
   二た三言かはしたき人さるすべり
   ボクシングジム点りおり十三夜
   弄ぶ恋があるらし温め鳥



発売 美研インターナショナル
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by owl1023 | 2007-07-06 23:22 | 平林恵子著書

共著

「四季吟詠句集」 牧野洋子 
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自薦10句

   雪の午後読み継ぐ本を読み尽くし
   まんさくの花びら動く日曜日
   啓蟄や真白き船の客となる
   吾雛はピアノの上にをさまりぬ
   亀鳴くや男は赤き花を買ふ
   水滴を一滴保つ木の芽かな
   内緒話みな聞こえそう月の道
   枯野原野菊ばかりに陽の当たる
   どの部屋も明かりの灯る冬休み
   侘助や座敷に足袋の擦れる音

             四季出版刊
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by owl1023 | 2007-07-06 23:14 | 牧野洋子著書

句集

現代俳句文庫ー57 『岩淵喜代子句集』  

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収録句集

『朝の椅子』
『螢袋に灯をともす』
『硝子の仲間』










解説 『眼力と時間』       藤原龍一郎
    
    『「我」を遠くへ』      池田澄子

エッセイ『 文体は思想』     岩淵喜代子

                       2005年  ふらんす堂刊
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by owl1023 | 2007-07-06 17:46 | 岩淵喜代子著書

句集

宮城雅子第一句集『薔薇園』   文学の森社刊

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『薔薇園』収録作品より

  老人の日の車座の中にあり
  東をどりの妓がタクシーへ手を振りぬ
  薔薇園のベンチに数学解く乙女
  白磁壷どこも正面秋桜
  本堂の暗きに慣れて汗拭ふ
  望遠レンズ互に覗く冬帽子
  満席の五月の空の観覧車
  人影の動くに揺るる冬牡丹
  人の目を恋うて近づく神の鹿
  水底の浅蜊鳴き出す日暮時



跋  「樹の会」の仲間たち       岩淵喜代子 
 
 宮城雅子さんのことを語るには、私と一緒に参加していた「樹の会」の紹介が一番手っ取り早いのである。ことに、そこで作ったアンソロジーに記したあとがきが、会のありようを伝えているので、全文を引くことにした。
 
 「樹の会」は不思議な集まりである。会が存続すれば湧いてくるはずのざわめきがない。会が続けば当然起こるはずの馴れ合いが生まれない。
何んとも静かな集まりである。
 ひたすら原裕先生のご指導に耳を傾ける場であった。
 しかし、その静かさも、十年の歳月を重ねてきたということになれば、ただの静かさではない。その証拠に、いつ誰がともなく十年の折目をつけたいという意見が結集して、このようなアンソロジーが生まれることになった。      
  (1992年7月「樹の会」あとがきより岩淵喜代子)

 アンソロジーといっても、会員の句を三六五日の暦に編集したもので、今見直してみてもユニークな企画だった。
 宮城さんもみんなと同じように、黙々と会場に現れ、終ればまた深々と頭を下げて会場を出て行く月日を重ねていた。会は十周年のあとも続いていた。しかし、原先生の体調が思わしくなくなって、わたしたちのほうでご来駕を危ぶんでいたが、辞めるとはおっしゃらなかった。だが、その後さらに病状が進んで会は解散せざるを得なかった。
 宮城さんはそれを機に鹿火屋会をも遠ざかって、音信も絶えていた。それが今年の夏、突然、そのときの原先生の目を通してくださった作品を纏めたいという意を伝えてきた。  そして、その句集をばねにして「ににん」で俳句を作っていきたいという意思を述べられた。

  老人の日の車座の中にあり
  東をどりの妓がタクシーへ手を振るぬ
  薔薇園のベンチに数学解く乙女
  本堂の暗きに慣れて汗拭ふ
  望遠レンズ互に覗く冬帽子
  満席の五月の空の観覧車
  人影の動くに揺るる冬牡丹
  登り口いくつもありて山法師
  人の目を恋うて近づく神の鹿
  水底の浅州鳴き出す日暮時
  サングラスに映る街並み異国めく


 これらはすべて原裕先生の選を受けた俳句である。先生の真撃な生き方を学んだ一集である。                             
                                   
                                    平成十六年十月吉日


(平成16年12月18日発行・株式会社文學の森・句集『薔薇園』宮城雅子)
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by owl1023 | 2007-07-06 17:41 | 宮城雅子著書

句集

平林恵子第一句集 『秋冷の竹』   

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帯文  塩田丸男
 平林恵子さんの俳句は、ひと口でいうと「一念の俳句」である。つらぬき通す美しさを持っている。これは最近の日本人にもっとも欠けているものではないだろうか。多分、お人柄によるものだろう。一句一句の良し悪しよりも句集一巻を読みおわったあとの感興がよかった。心に沁みた。これからもぜひ、一念をつらぬき通してください。








跋 背筋の見える人  岩淵喜代子
 平林恵子さんのことに触れるには、わたしの俳句入門の時期あたりから語らなければならない。
 それは、一九七五年頃だった。「鹿火屋」という文字の読み方にさえ戸惑っていた頃である。
 その「鹿火屋」誌の巻頭近くにいつも輝いていた一人に、平林恵子さんがいた。
 ほかに私が覚えているのは、中山一路さん、長谷川貴枝さん、永島理江子さん、椎橋清翠さん、美馬和代さん直江るみ子さん、川村和子さん等、そのすぐ後で浮上してきたのが、小室義弘さん、北沢瑞史さん等であった。鹿火屋の外側の人たちでも、この名前を知っていると頷く人は多い筈だ。 
 だが、いつこれらの人たちが消えたのか、その消え際は見ていないまま、気がつけばそれらの半数以上の名が、その数年後に消えていた。消えていたというのは、浮上した新人に座を奪われたのではない。誌上から消えていったのである。
 現在、鹿火屋誌上に名前を残しているのは、中山一路さんだけである。
 その先輩たちの流麗な俳句に、私も感化されて育ったと思っている。
 これらの仲間の中でも平林さんの句風は、理知的で硬質で、鮮明な輪郭を持っていた。

  雨意のおく再びまみゆ吉野藤
  祝ごとの母の姉妹や切山椒
  焚く中の松の匂ひに冴え返る
  音読の背なに重ねし青網戸

 
 ひたすら、鹿火屋の伝統を継承していた原コウ子に育てられたこの作家の緻密な表現は見事である。

  秋冷の竹を眺むるあとずさり

 この句が、まだ主宰になって間のな原裕先生の鑑賞で提示されたときの印象は忘れられない。
 ただただ真っ青な竹林の前に立つ作者の、俳句への厳しい姿勢を見たような気がした。
 私は、平林さんと同じ歳である。それが、お互いの親近感となって、何度も旅を重ねている。これからも、いろいろ旅に同行させていただきたいと思っている。

  二〇〇四年 盛夏                                  

2005年  文学の森社刊
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by owl1023 | 2007-07-06 17:40 | 平林恵子著書

句集

 恋の句愛の句  『かたはらに』 岩淵喜代子

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2004年 文学の森社刊
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by owl1023 | 2007-07-06 17:23 | 岩淵喜代子著書

句集


岩淵喜代子 第三句集『硝子の仲間』   

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帯     ・・・・・・清水哲男
 岩淵喜代子さんのポエジーの源は、
 いつも一本の樹木を想わせる。
 あるときは太い幹から発せられ
 あるときは高い梢から、
 かと思うと細い小枝から、
 ときには裏返しの葉っぱから
 と自在である。
 句集でこれらの多彩な
 ポエジーが響きあい
 おのずから読者を
 生きる歓びへと誘ってくれる。
 木漏れ日の下に、この一冊を。


自選15句抄
   魂も石榴もひとつとかぞへけり
   冬の宿風見るほかに用もなし
   穂薄も父性も痒くてならぬなり
   青空のひらと舞ひ込む雛祭
   七人の敵に風船飛ばしけり
   和解などする気なけれど柳絮飛ぶ
   葱坊主うらもおもてもなき別れ
   抱へたるキャベツが海の香を放つ
   氷室守秘密の部屋を開けるごと
   空蝉も硝子の仲間に加へけり
   われわれと書くとき夕顔ひらきけり
   秋風の枕をときに顎の下
   角のなき鹿も角あるごと歩む
   桐の実を見るは耳掻き使ふとき
   初冬の舟の食事の見えにけり


        2004年 角川書店刊
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by owl1023 | 2007-07-06 17:20 | 岩淵喜代子著書