句集


岩淵喜代子 第三句集『硝子の仲間』   

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帯     ・・・・・・清水哲男
 岩淵喜代子さんのポエジーの源は、
 いつも一本の樹木を想わせる。
 あるときは太い幹から発せられ
 あるときは高い梢から、
 かと思うと細い小枝から、
 ときには裏返しの葉っぱから
 と自在である。
 句集でこれらの多彩な
 ポエジーが響きあい
 おのずから読者を
 生きる歓びへと誘ってくれる。
 木漏れ日の下に、この一冊を。


自選15句抄
   魂も石榴もひとつとかぞへけり
   冬の宿風見るほかに用もなし
   穂薄も父性も痒くてならぬなり
   青空のひらと舞ひ込む雛祭
   七人の敵に風船飛ばしけり
   和解などする気なけれど柳絮飛ぶ
   葱坊主うらもおもてもなき別れ
   抱へたるキャベツが海の香を放つ
   氷室守秘密の部屋を開けるごと
   空蝉も硝子の仲間に加へけり
   われわれと書くとき夕顔ひらきけり
   秋風の枕をときに顎の下
   角のなき鹿も角あるごと歩む
   桐の実を見るは耳掻き使ふとき
   初冬の舟の食事の見えにけり


        2004年 角川書店刊
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by owl1023 | 2007-07-06 17:20 | 岩淵喜代子著書


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